古伊万里：初期伊万里寛文期菊花形二寸皿④
初期伊万里のお洒落な菊花形二寸皿です。
小皿には凝縮された独特な魅力があります。
初期の二寸皿は希少です。
最近は初期伊万里と呼びますが、正確には前期藍九谷に分類されています。
初期伊万里から藍九谷様式の過渡期の作品です。
見込に墨弾濃淡で描かれた花弁、全体を菊花形に仕上げています。とても綺麗です。（文様はろうけつ染の様な仕上がり）（呉須濃淡・滲み気味が味になっている）h
お洒落な花弁、青みを帯びた透明感のある初期の釉薬が、輪花に溜まりきらきら輝いています。
惹き込まれます。初期の魅力が凝縮されています。
金継をご自分でされる方にお勧めです。おかげさまで最後の一枚です。珍しい初期二寸皿をコレクションに是非加えて下さい。
インスタグラム始めました。kobijutsu_banri 是非ご覧ください。 時代 寛文期（1650年前後）口径 ５．６㎝（５．４㎝）全高 １．６cm（１．７㎝）
状態 口縁厚から内に巾10㎜X5㎜の薄い削げ有        （裏からは一輪花の小さな凹であまり目立たず）        （画像参照）

キズではありませんがご確認戴きたい詳細：

極小灰振・釉切・ムシクイ・凹凸・釉下シワ多少（裏側面に3㎜の釉切凹有）高台畳付に極小クッツキ・釉切・凹凸多少
真円ではなく少し楕円、側面成形の不具合（左右畳付が着く状態で畳付中央に微かな隙有）
（座りはほゞ安定、許容範囲、口径差・全高差参照）
江戸初期に日本で初めて磁器が生産され伊万里と呼ばれました。
最初の伊万里を初期伊万里と呼びます。(1610年代)
初期伊万里の大きな特徴は、小さな高台、厚みのある器形です。
初期伊万里は生掛けで作られています。
（成形後乾燥、素焼無で絵付、乾燥後釉薬を掛け窯に入れる)
後の時代、柿右衛門様式の伊万里と異なり、ふんわりとした暖かみ
のある仕上がりです。
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始まったばかりの生産技術は当然未熟でした。
轆轤の使い方、呉須や釉薬の精製方法、登り窯の温度調整等、初
めての事ばかりで大変だったと思います。
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窯中、呉須の発色の不具合、釉薬と磁体の伸縮の不具合、温度調
整の不具合で煙が入ったり、器形に歪みが出たり・・・・等々。
ただ、日本初の磁器生産に対する職人たちの強い気持が初期伊万里
の魅力になっています。
蒐集家を虜にした初期伊万里の魅力を感じて戴ければ嬉しいです。

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